
皆さんこんにちは!
株式会社TST、更新担当の中西です。
今回は、設計についてです。
ということで、リフォーム工事における設計の進め方・ポイント・注意事項を、設計者と施主の両視点から深く解説します。
リフォームは「古くなったところを直す作業」と思われがちですが、実はそれだけではありません。暮らし方・使い方・動線・機能性・将来性までを見直す“生活の再構築”こそが、リフォーム設計の本質です。
設計次第で、同じ工事でも暮らしやすさ・資産価値・満足度が大きく変わります。
目次
新築と異なり、リフォームでは既存の構造・配管・法的制約の中で最適なプランを考える必要があります。つまり、制約が多い分、設計者の経験と創造性が問われる分野です。
現状の課題と希望をすり合わせ、プラン化する
配線・配管・構造との整合をとる
コスト・工期・施工性を見据えて現実的に落とし込む
ご家族構成、将来設計、生活パターンをヒアリング
「ここが使いにくい」「こうしたい」などの不満と希望の言語化
構造・給排水・電気容量などの制約調査
→ 設計者が現地に足を運び、目視と計測で寸法・劣化状態・動線をチェック
空間全体を「用途別に整理」(例:LDK、水回り、収納)
開放感とプライバシー、動線と視線のバランスを設計
特に家事動線・回遊性・採光計画が満足度に大きく影響
平面図・展開図・照明配置・設備レイアウトの作成
床・壁・天井・建具・キッチン・ユニットバスなど、仕様書で明確化
ショールーム同行やサンプル確認も設計フェーズに含まれる
戸建て木造住宅では耐力壁の変更に注意(構造計算が必要な場合あり)
マンションでは共用部との接続(給排水立管など)に制約あり
天井裏・床下のスペース確認(配線・ダクトの通し替えが必要なことも)
キッチン・洗面・浴室などの給排水経路の再配置にはコストがかかる
電気容量アップ(分電盤増設)も古い住宅では設計段階から確認が必要
インターホン・コンセント・ネット配線の再計画も忘れずに
奥行・高さ・使い勝手までミリ単位で設計
“魅せる収納”と“隠す収納”を使い分けて生活感をデザイン
ファミリー層なら「玄関収納・食品庫・リネン収納」も重要ポイント
設計と内装はセットです。図面の中で空間の雰囲気をどう表現するかが、満足度に直結します。
フローリング(無垢材、突板、フロアタイルなど)
壁材(クロス、塗り壁、板張り)
建具やキッチン扉の面材カラー選びも設計者と連携を
照明は設計段階で配置と回路を決定
ダウンライト、ペンダント、間接照明のシーン別使い分け
スイッチの位置・回路分け・調光調色も設計上の要素
設計によって工事費は大きく変わります。
設計要素 | コストに与える影響 |
---|---|
水回りの移動 | 高コスト(配管延長・床開口が必要) |
造作家具 | オーダーは高額だが空間にフィット |
間取り変更 | 壁撤去・新設、構造補強が発生する場合も |
断熱改修 | 長期的にランニングコスト低下 |
コストと効果のバランスを設計段階でしっかり見極めることが重要です。
雑誌の切り抜きやPinterest、SNSの画像などを活用
「この家のここが好き」など直感的な感覚も設計者に伝える
「NGポイント」も明確にする(例:暗い色は嫌、タイルは掃除が面倒など)
朝の家事動線
子どもの登校準備
室内干し・外干しの流れ
ゴミ出しや収納のタイミング
→ こうした具体的な生活リズムに寄り添った設計が、満足度の高いリフォームを生みます。
リフォーム設計とは、単なる間取りの変更や図面作成ではありません。
「どんな暮らしをしたいか?」という夢を、現実の中で形にする仕事です。
家族構成と将来設計
動線・収納・採光の最適化
設備・構造・法規との整合
インテリア・照明との一体感
コストと効果のバランス管理